介護保険サービスと家事代行の違い|費用・頼める範囲を徹底比較

介護保険サービスと家事代行の違い|費用・頼める範囲を徹底比較 介護の家事

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「訪問介護をお願いしているのに、家族の分の掃除や洗濯まではやってもらえない」「もっと回数を増やしたいけど、ケアマネさんに難しいと言われた」——そんなとき候補にあがるのが「家事代行サービス」です。とはいえ、介護保険の生活援助と何がどう違うのか、費用はどのくらい変わるのか、正直よくわからないという方も多いと思います。この記事では、両者の違いを「費用」と「頼める範囲」の2つの軸で整理します。

この記事で使う言葉について
生活援助=介護保険の「訪問介護」というサービスの中にある、掃除・調理・洗濯などを担当するメニューのことです。この記事では「介護保険の生活援助」と呼びます。
家事代行=介護保険を使わない、民間会社との直接契約のサービスです。この記事では「家事代行」と呼びます。

家事代行の会社を先に見たい方へ

違いを読む前に、実際の会社を見ておくと比べやすくなります。

家事だけなら CaSy(名古屋市・尾張) 三河にお住まいなら ベアーズ(家事のみ) 体に触れる介助まで頼むなら イチロウ(名古屋市・尾張)

お住まいの市が対象かどうかは会社ごとに違います。市ごとの対象は高齢者向け家事代行サービスの比較に、料金の総額は家事代行の料金比較にまとめています。

目的がそもそも違うサービスです

介護保険の生活援助と、民間の家事代行。どちらも「掃除や料理をしてもらう」という点では同じに見えますが、この2つは「何のためにあるか」という出発点が違います。まずは、それぞれを別々に整理してみましょう。

A

介護保険の生活援助

目的:要介護の方が自分の暮らしを続けられるようにするための支え
対象:要介護認定を受けたご本人のみ
範囲:ケアプランに書かれた、本人の生活に必要な範囲だけ

B

民間の家事代行

目的:依頼した人の家事の負担を軽くすること
対象:基本的に誰でも(要介護認定は不要)
範囲:契約した内容の範囲(家族の分も依頼できる)

ここがいちばん大事なところです。介護保険の生活援助は「便利にするためのサービス」ではなく、本人が自分の暮らしを続けるための最小限の支えという位置づけになっています。だから頼める内容にきちんと線が引かれていますし、同居する家族の分の家事は原則として対象外になります。

同居家族がいる場合に生活援助が使いにくくなる理由と、その例外については 「訪問介護で頼めないこと一覧」の記事 で詳しく解説しています。

いっぽう家事代行は、介護保険とはまったく無関係の民間サービスです。国(経済産業省)の資料でも、家事代行は「事業者のスタッフが利用者宅を訪問し、家事に関する業務の全部又は一部を利用者に代わって行うサービス」と定義されていて、ハウスクリーニングや家政婦とは区別されています。介護保険の制度とは別枠のサービス、と考えてください。

比較表|どこがどう違う?

項目介護保険の生活援助民間の家事代行
利用できる人要介護認定を受けた方(要支援の方は別の制度)基本的に誰でも(認定は不要)
サービスの目的本人の暮らしを続けるための支援依頼者の家事負担の軽減
家族の分の家事原則できないできる(契約内容による)
頼める内容ケアプランに書かれた範囲内契約の範囲内で比較的自由
頻度・時間ケアプランで決められた範囲内希望に応じて調整可能
担当する人訪問介護員(介護職員初任者研修修了者など、資格が必要)事業者ごとに異なる(資格要件は法律で定められていない)
申し込み方法ケアマネジャーに相談し、ケアプランに位置づけてもらう事業者に直接申し込む(Web予約に対応する会社もある)
費用1〜3割の自己負担(次章参照)全額自己負担(次章参照)
月あたりの上限あり(区分支給限度基準額)なし(払える範囲で自由)

この表は制度の一般的な仕組みをまとめたものです。実際の対応範囲は事業所・事業者によって異なります。正確な内容は担当のケアマネジャー、または各事業者に直接ご確認ください。

費用はどのくらい違う?

介護保険の生活援助の自己負担額

介護保険サービスは、所得に応じて自己負担割合が1割・2割・3割のいずれかに決まっています(多くの方は1割です)。ご自身の割合は、市区町村から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。

生活援助の料金は「単位」という点数で全国共通に決まっていて、令和6年4月改定後は次のとおりです。

時間区分単位数1割負担の目安
20分以上45分未満179単位約179円
45分以上220単位約220円

※2割・3割負担の方は、単純にこの金額の2倍・3倍が目安になります。

「1単位=10円」ではない地域もあります

単位を円に換算するときの単価は、地域によって差があります。厚生労働省の資料によると、訪問介護の場合は次のように設定されています。

地域区分1級地3級地5級地7級地その他
1単位あたり11.40円11.05円10.70円10.21円10.00円

※訪問介護は「人件費割合70%」のサービスに分類されるため、上記の単価が適用されます。表では2級地・4級地・6級地を省略しています。お住まいの市区町村がどの級地にあたるかは、自治体の介護保険担当窓口で確認できます。

知っておきたい「月あたりの上限」

介護保険には、1か月に使えるサービスの総量に上限があります。これを「区分支給限度基準額」といい、要介護度ごとに決まっています。

要介護度1か月の上限(単位)
要支援15,032単位
要支援210,531単位
要介護116,765単位
要介護219,705単位
要介護327,048単位
要介護430,938単位
要介護536,217単位

この上限を超えた分は、介護保険が使えず全額自己負担になります。つまり上限に近づいてきたら、「訪問介護をさらに増やす」以外の選択肢も含めて考える段階に来ている、ということです。

では、上限を超えてもそのまま介護保険で使い続けるのと、保険を使わないサービスに切り替えるのとでは、どちらが安いのか。実際に金額を並べてみると、頼みたいのが家事か、体を支える介助かで答えが分かれました。その計算は介護保険の上限を超えたらどうなる?にまとめています。

実際には、生活援助だけでこの上限を使うわけではありません。デイサービスや福祉用具のレンタルなど、他の介護保険サービスもこの枠の中に含まれます。今どのくらい使っているかは、ケアマネジャーに聞けば教えてもらえます。

家事代行の費用

家事代行は介護保険が使えないため、全額自己負担です。料金は事業者ごとに設定されているので「相場」は幅がありますが、実際に公表されている料金の一例を挙げると次のようになります。

利用の仕方1時間あたり(税込)
1週間に1回の定期2,790円
2週間に1回の定期2,890円
4週間に1回の定期3,190円
今回だけ(スポット)3,490円
交通費1回あたり880円

上記は家事代行サービス「CaSy」が公式サイトで公表している、お掃除代行の料金(2026年8月時点)です。あくまで一例であり、業界の相場を代表するものではありません。事業者によって時間単価だけでなく、入会金・交通費・最低利用時間の条件も大きく異なります。必ず複数社で比較してください。

なお経済産業省の調査では、家事代行を利用しない理由の第1位が「所得に対して価格が高いと思われるため」(20.0%)でした。費用が気になるのは、決してご家庭だけの事情ではありません。だからこそ、安い介護保険で足りる部分は介護保険で、足りない部分だけを家事代行でという使い分けが現実的になります。

実際に組み合わせるといくら?

イメージしやすいよう、簡単な例を出します。

  • ご本人:要介護2、自己負担1割、「その他」地域(1単位=10円)
  • 介護保険:生活援助(45分以上)を週2回
  • 家事代行:4週に1回のペースで2時間(家族の分の掃除)
内訳計算月額の目安
介護保険の生活援助220単位 × 週2回 × 4週 = 1,760単位(=17,600円)の1割約1,760円
家事代行3,190円 × 2時間 + 交通費880円約7,260円
合計約9,020円

この例の生活援助1,760単位は、要介護2の上限(19,705単位)の1割弱です。実際には他のサービスも合わせて使うため、この試算はあくまで考え方をつかむためのものとお考えください。金額は地域区分・負担割合・事業者によって変わります。

保険で頼めない部分だけ、家事代行に頼みたい方へ

家族の分の家事や、頻度を増やしたい部分だけをピンポイントで依頼できます。まずは複数社の料金とサービス内容を比べてみましょう。

家事代行サービスを比較する

結局、どう使い分ければいい?

正解は一つではありませんが、次のような役割分担で考えると迷いにくくなります。

1

本人の生活に必要な最小限は、まず介護保険を使う。費用が安く、資格を持つ訪問介護員が対応してくれます。ケアプランの範囲内でできることは、ここでカバーします。

2

家族の分・快適さのための家事は、家事代行で補う。「同居家族の分の掃除や洗濯」「大掃除」「庭の手入れ」など、介護保険の対象外になる部分を担当してもらいます。

3

夜間・休日など、訪問介護が手薄な時間帯を家事代行で埋める。地域によっては土日や夜間に訪問介護が利用しにくいこともあります。そうした「すき間」を家事代行で補完している方もいます。

保険と保険外は、どちらかを選ぶものではなく、組み合わせて使うものと考えるとしっくりきます。

高齢の親に家事代行を頼む場合の会社の選び方(鍵の預かり・報告・身体に触れる介助の可否、愛知の市ごとの対象)は高齢者向け家事代行サービスの比較にまとめました。

こんな場合はどうする?状況別の考え方

要介護認定を受けていないが、家事の負担が大きい
要介護・要支援の認定がない方は、そもそも介護保険の生活援助を利用できません。この場合は家事代行が現実的な選択肢になります。あわせて、自治体が独自に高齢者向けの生活支援サービスを行っている場合もあるので、地域包括支援センターに相談してみるのも一つの方法です。すでに申請して結果を待っている段階なら、事情が少し変わります。結果が出るまでは全国平均で40日近くかかっており、その間の埋め方は退院後の介護、保険はいつから使える?に整理しました。
要介護認定はあるが、まだ生活援助を申し込んでいない
先にケアマネジャーに相談し、ケアプランの中で使える範囲を確認するのが基本の順番です。そのうえで足りない部分を家事代行で補うと、費用を抑えられます。
ケアプランの上限(区分支給限度基準額)まで使っている
上限を超えた分は全額自己負担になります。まずはケアマネジャーに、今の使い方が本人にとって最適かどうかを相談してください。そのうえで、家族の分の家事など介護保険では対応できない部分については、家事代行との比較を具体的に検討する価値があります。
家族と同居していて、生活援助が使いにくいと言われた
同居家族がいても一律に使えないわけではありませんが、制約が生じやすいのは事実です。詳しい条件は「訪問介護で頼めないこと一覧」の記事で解説しています。

よくある質問

Q. 介護保険の生活援助と家事代行は、同時に使ってもいいのですか?
A. はい。家事代行は介護保険とは別枠のサービスなので、併用できます。ただし同じ時間帯に両方を入れる必要はないので、役割を分けて使うのが一般的です。
Q. 生活援助を使い切ってから家事代行を頼むべきですか?
A. 決まりはありませんが、費用面では先に介護保険の範囲を確認し、そのうえで足りない部分を家事代行で補う順番の方が負担を抑えやすいです。
Q. 家事代行を使うのに、ケアマネジャーへの相談は必要ですか?
A. 介護保険を使わないサービスなので、制度上は相談なしでも契約できます。ただし、ケアプラン全体とのバランスを考えると、事前に一言相談しておくと安心です。
Q. 要支援や自立と判定された人でも家事代行は使えますか?
A. はい。家事代行は介護保険の枠外のサービスなので、要介護認定の有無にかかわらず利用できます。
Q. 家事代行の料金はどこも同じですか?
A. いいえ、事業者によってかなり差があります。時間単価だけでなく、入会金や交通費、最低利用時間なども含めて比較することをおすすめします。
Q. 家事代行に、身体に触れる介助や医療的なことはお願いできますか?
A. 家事代行は「家事」を担当するサービスなので、基本的には対象外と考えてください。介護資格を持つスタッフが在籍する事業者であれば対応できる場合もありますが、事業者ごとに大きく異なります。医療的な処置が必要な場合は、訪問看護など別のサービスの利用を検討してください。

さいごに

介護保険の生活援助と家事代行は、どちらが優れているという話ではなく、役割がそもそも違うサービスです。「本人に必要な最小限」は費用の安い介護保険で、「それ以外」は家事代行で、と分けて考えると、無理なく組み合わせられます。まずはケアマネジャーに今の状況と使っている単位数を確認しつつ、足りない部分については家事代行サービスの資料請求や見積もりから比較してみてください。

まずは料金とサービス内容を比べてみませんか?

複数社の資料を取り寄せて比較すると、ご家庭に合ったサービスが見つかりやすくなります。

家事代行サービスを比較する

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、専門家の監修は受けていません。制度の詳細は改定される場合があるため、最新情報は自治体やケアマネジャーにご確認ください。

出典

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