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病院から「そろそろ退院を」と言われたあと、家に帰ってからのことを考え始めると、決めなければいけないことが一気に増えます。トイレはどうするのか。お風呂は。昼間ひとりにして大丈夫なのか。
そして介護保険の申請をした人は、たいてい同じところでつまずきます。結果が、退院までに間に合いません。
先に結論だけまとめます。
- 申請した日から使えます。ただしケアマネジャーに「仮のプラン」を作ってもらう必要があります
- 結果は「30日以内」と説明されますが、実際の平均は40日近く。4件に3件は30日を超えます
- 仮のプランで入れられる量は、あとから請求が行かないように控えめに組まれることがあります
- 結果が「非該当」なら、使った分は全額自己負担です
- 足りない分は、認定を待たずに使える保険外のサービスで埋められます
ここでは、間に合わないことを前提に、その数週間をどう組み立てるかを書きます。使ったのは法律の条文と国の統計、市区町村が出している資料だけです。
認定を待たずに頼める先を先に見たい方へ
保険外のサービスは、要介護認定の有無を条件にしていません。退院の直後だけ厚く入れて、保険が動き出したら減らす使い方ができます。
体を支える介助まで頼むなら イチロウ(名古屋市・尾張)
家事だけなら ベアーズ(三河も対応) CaSy(名古屋市・尾張)
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お住まいの市が対象かどうかは会社ごとに違います。市ごとの対象は高齢者向け家事代行サービスの比較に、料金の総額は家事代行の料金比較にまとめています。
※ 制度の運用は市区町村ごとに違い、改定によっても変わります。実際にご利用になる際は、必ず担当のケアマネジャー、またはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。金額は各社が公表している料金の一例です。
介護認定の結果はいつ出る? 平均は40日近くです
介護保険の申請をすると「30日以内に結果が出ます」と説明されます。制度としてはそのとおりで、介護保険法に「申請のあった日から三十日以内にしなければならない」と書いてあります。
ただ、厚生労働省が全国1,559の市区町村を集計した数字があります。
| 項目 | 実際の数字 |
|---|---|
| 結果が出るまでの平均 | 39.8日 |
| 30日以内に結果が出た割合 | 25.1% |
| 市区町村ごとの平均の幅 | 20.3日〜80.6日 |
30日で出るのは4件に1件です。平均が30日以内に収まっている市区町村は、1,559のうち66しかありません。
「申請した日にさかのぼれます」には、続きがあります
窓口やケアマネジャーから、こう説明されることがあります。結果を待たなくても、申請した日までさかのぼって使えますよ、と。
正しい説明です。介護保険法に「要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる」とあります。ケアマネジャーに「仮のプラン」を作ってもらえば、結果が出る前でも、いつもと同じ1割から3割の負担でサービスを使えます。
問題は、そのプランをどれくらいの量で組むかです。
介護保険には、要介護度ごとに1か月で使える上限があります。仮のプランは、まだ出ていない要介護度を見込んで組みます。稲沢市の資料には、こう書かれています。
多めに組んでおいて、結果がそれを下回った。そのとき上限を超えた分は、全額が家族に請求されます。
仮のプランは、確定していないものの上に組まれています。「使える」と「必要なだけ入る」は、同じではありません。
上限を超えた分がいくらになるかは、介護保険の上限を超えたらどうなる?で計算しています。
介護ベッドや手すりは、申請中でも借りられますか
借りられます。ベッドや手すりのレンタルも介護保険のサービスなので、訪問介護と同じように仮のプランに入れられます。退院の直後にいちばん急ぐのは、たいていここです。
ただし、ベッドには落とし穴が1つあります。
介護ベッドは、要支援1・2と要介護1では、原則として保険の対象外です。車いすや床ずれ防止のマットも同じです。仮のプランで要介護2以上を見込んでベッドを入れ、結果が要介護1だった。そのとき、それまでのレンタル料は全額が自己負担になります。
一方、手すり(工事のいらない置き型)は、要支援1からすべての区分で借りられます。歩行器や杖も同じです。結果がどう出ても、自己負担にはなりません。
結果を待たずにベッドが必要で、要介護2以上の見込みが立たない場合は、介護保険を使わない自費のレンタルを扱う事業者もあります。
まだ入院中の方へ
申請の時期は、早ければ早いほどいいわけではありません。
山武市の案内には、こうあります。
手術の直後や、骨折がまだ治っていない時期には、認定の調査ができません。体の状態が動いている最中に調べても、家に帰ってからの暮らしとはかけ離れた結果になるからです。
同じ資料では、状況ごとの目安をこう挙げています。
- これから治療や手術を受ける方は、手術のあと、状態が落ち着いたころ
- 転院の予定がある方は、転院先で状態が落ち着いたころ
- リハビリ中の方は、リハビリが進んで退院のめどが立ったころ
いつが「落ち着いたころ」なのかは、こちらでは判断できません。主治医に退院の見通しを聞いて、そのうえで病院の相談員か市区町村の窓口に相談してください。
入院している間は医療保険の対象なので、介護保険のサービスは使えません。使えるようになるのは、自宅に戻ってからです。
もう退院日が決まっている方へ
申請から結果まで平均40日近くかかる以上、退院が来週なら間に合いません。
それでも、やることは変わりません。まず申請してください。さかのぼれるのは申請した日からなので、1日でも早いほうがあとで効いてきます。
申請とは別に、退院してからの数週間をどう埋めるかを考えることになります。ここから先はその話です。
結果が遅いとき、家族ができること
結果が出るまでの日数は、こう分かれています。
| 段階 | 平均日数 |
|---|---|
| 調査の日程を決めて、実施するまで | 10.9日 |
| 主治医の意見書がそろうまで | 18.0日 |
| 審査して結果を決めるまで | 16.9日 |
時間がかかっているのは、調査ではありません。主治医の意見書です。
国は2025年3月に、各段階の目安を示しました。調査は依頼から7日以内、主治医の意見書は依頼から13日以内、審査は書類がそろってから12日以内。意見書の実態18日は、目安の13日を5日超えています。
そして30日以内に結果を出せないとき、市区町村から「延期通知書」という書類が届きます。遅れている理由と、いつごろ出るかの見込みが書いてあります。
川口市は、遅れる理由を4つに分けて説明しています。調査が終わっていない。主治医の意見書が届いていない。審査会の日程が決まっていない。日程は決まったが開催まで日数がある。
あわせて、こう書かれています。
市区町村によっては、家族が病院に頼まないと意見書が動きません。届いた延期通知書の理由が意見書なら、依頼が済んでいるかどうかを確かめてください。まだなら、そこで初めて話が進みます。
延期通知書そのものには、返送などの手続きは要りません。理由の欄を見る、それだけです。
足りない分は、どうすればいいか
退院の直後には、2つのことが重なります。結果が出るまでに平均で40日近くかかること。その間に使える量は、あとから請求が行かないように組まれること。
埋める方法は2つあります。
1
家事だけなら家事代行
掃除、洗濯、調理、買い物。体に触れる手伝いはできません。
2
体を支えるなら保険外の訪問介護
歩くときの支え、入浴やトイレの介助、着替え。介護の資格を持つ人が来ます。
退院した直後に困るのは、たいてい2のほうです。ベッドから起き上がる。トイレまで歩く。体を洗う。どれも家事代行では受けられません。
保険外のサービスは、認定を待たずに使えます。要介護認定を持っているかどうかが条件になっていないからです。退院の直後だけ厚く入れて、保険が動き出したら減らす、という組み方ができます。
金額の一例です。ある事業者では、日中に2時間で8,470円から8,910円(交通費990円を含む)。1回2時間からの利用で、それより短くは頼めません。前日の15時を過ぎてからの予約は1.4倍になります。この会社が対応しているのは東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・京都の各都府県と、愛知県では名古屋市16区と、尾張を中心とした23市町です(岡崎市・豊橋市・豊田市は対象外)。同じ愛知県でも、市によって頼めるかどうかが変わります。
会社によって料金も対応エリアも違います。料金を比べる前に、お住まいの地域が対象かどうかを確かめてください。
すでに認定を持っている場合も、同じことが起きます
この空白は、初めて申請する人だけの話ではありません。
稲沢市の資料では、仮のプランが必要になる場面を3つ挙げています。新しく申請して結果を待っている間。区分変更を申請して結果を待っている間。更新の申請をしたが、有効期間内に結果が確定しない場合。
入院で状態が変わり、区分変更を出すことはよくあります。その場合も待っている間は同じで、上がることを見込んで多めに組めば、上がらなかったときに差額が請求されます。
「先に取っておけば安心」という考え方は、あまり勧められていません。山武市の資料には、実際に必要になったころには状態が変わっていて、結局あらためて区分変更を申請することになる、という趣旨の説明があります。
どこから手をつけるか
1まだ入院中なら、主治医に退院の見通しを聞く。そのうえで申請の時期を、病院の相談員か市区町村の窓口に相談する。
2申請済みなら、延期通知書が届いていないか探す。理由が主治医の意見書なら、病院に依頼が届いているか確かめる。
3ケアマネジャーに「仮のプランでどこまで入れられますか。ベッドは入りますか」と聞く。足りない量がはっきりすれば、保険外で埋める量も決まる。
4保険外を使うなら、対応エリアを先に確認する。料金を比べたあとで対象外と分かるのが、いちばん時間の無駄になる。
担当のケアマネジャーがまだいない場合と、要支援の場合は、お住まいの地域包括支援センターが窓口です。本人ではなく家族からの相談も受け付けています。
家に帰ってから頼みたいことが介護保険の対象になるかどうかは、訪問介護で頼めないこと一覧にまとめています。実家が遠くて手配に通えない場合は、遠方の親に家事代行を頼む方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
- 申請したその日から、介護保険のサービスを使えますか
- 制度としては、申請した日にさかのぼって使えます。ただしケアマネジャーに仮のプランを作ってもらう必要があり、面談や関係者の打ち合わせ、書類の作成と同意といった手順を踏みます。申請したその日に始まるわけではありません。
- 仮のプランを作らずにサービスを使うと、どうなりますか
- いったん全額を払い、あとから7割から9割を返してもらう形になります。まとまった額を立て替えることになるので、ケアマネジャーに相談してプランを作ってもらうほうが負担は軽くなります。
- 結果が「非該当」だったら、使った分はどうなりますか
- 介護保険が使えないため、利用した分は全額が自己負担になります。仮のプランで使い始める前に、この可能性についてケアマネジャーから説明を受けてください。
- 入院中に介護保険のサービスは使えますか
- 使えません。入院している間は医療保険の対象です。介護保険のサービスが使えるようになるのは、自宅に戻ってからです。
- 申請中に介護ベッドをレンタルできますか
- 仮のプランに入れれば借りられます。ただし介護ベッドは要介護1以下では原則として保険の対象外なので、結果が要介護1以下だった場合は全額自己負担になります。「起き上がり」や「寝返り」ができないと判定された場合は例外として借りられます。手すりや歩行器は、どの区分でも借りられます。
- 結果が遅いとき、どこに聞けばいいですか
- 申請した市区町村の介護保険の窓口です。30日を超える場合は「延期通知書」が届くので、まずその理由の欄を見てください。理由が主治医の意見書なら、病院に依頼が届いているかを確かめるのが先です。
- 認定が出るまでの間、保険外のサービスは使えますか
- 使えます。保険外のサービスは要介護認定の有無を条件にしていないため、申請中でも、まだ申請していなくても利用できます。退院の直後だけ厚く入れて、保険が動き出したら減らすという使い方ができます。
出典
- 介護保険法 第27条第8項(申請日への遡及)・第11項(30日以内の処分) e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 確認日:2026年9月2日
- 厚生労働省 老健局 事務連絡「要介護認定に係る認定審査期間の短縮に向けた取組について」(令和7年3月31日。認定調査7日・主治医意見書13日・審査会12日の目安) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001469244.pdf 確認日:2026年9月2日
- 厚生労働省「軽度者に対する福祉用具貸与について」(要支援1・2および要介護1の原則対象外種目と例外要件) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000875875.pdf 確認日:2026年9月2日
- 厚生労働省 老健局「要介護認定の認定審査期間について」社会保障審議会 介護保険部会(第117回)資料2(令和7年2月20日。集計元:介護保険総合データベース 令和5年4月〜令和6年3月申請分) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001415212.pdf 確認日:2026年8月22日
- 稲沢市「暫定ケアプランの取扱いについて」 https://www.city.inazawa.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000003/3780/zanntei2.pdf 確認日:2026年8月22日
- 川口市「介護保険要介護(要支援)認定の延期について」(更新日:2025年7月8日) https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01070/050/annai/37400.html 確認日:2026年8月22日
- 山武市「介護保険申請のタイミングについて」 https://www.city.sammu.lg.jp/data/doc/1694153345_doc_76_0.pdf 確認日:2026年8月22日
- 保険外の訪問介護 A社 料金ページ https://ichirou.co.jp/price 確認日:2026年9月2日
- 保険外の訪問介護 A社 対応エリア(愛知県) https://ichirou.co.jp/area/aichi 確認日:2026年9月2日
このページは、上の一次情報と各社が公表している料金をもとに、運営者が調べた範囲でまとめたものです。専門家の監修は受けていません。制度の運用は市区町村ごとに異なり、改定によっても変わります。実際にご利用になる際は、必ず担当のケアマネジャー、またはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。料金は各社の公式ページで確認した時点のもので、変更される場合があります。


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