配食サービスは介護保険で使える?|安くなるのは届ける代金だけ。市の配食の探し方

配食サービスは介護保険で使える?|安くなるのは届ける代金だけ。市の配食の探し方 介護の家事

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実家の冷蔵庫を開けたら、スーパーの同じ総菜のパックが並んでいた。
ひとりで暮らす父は、最近は台所に立つのもおっくうなようです。担当のケアマネジャーに「お弁当の配達は、介護保険で安くなりませんか」と聞くと、「お弁当代は出ないんです。ただ、市の配食なら……」という返事でした。
このページでは、配食サービスに介護保険が使えるのか、安くなるのはどの部分か、市の配食がないときにどう埋めるかを、国と市の資料をもとにまとめました。

  • お弁当代は、介護保険では安くなりません。国が、食材費などの実費は利用者が払うものとしています
  • 市によっては、届けて様子を見る代金などに補助が出ます。名古屋市なら、配達の費用1回200円のうち、負担が1割の人が払うのは20円です
  • 補助があるか、誰が対象かは住んでいる市しだいです。まず、地域包括支援センターに聞いてください
  • 市の配食がない日や、対象から外れる人は、冷凍の宅配かヘルパーの調理で埋めます。冷凍の宅配には、補助も見守りもつきません
地域包括支援センター
高齢者の暮らしと介護の相談を受ける、市区町村の窓口のこと。名古屋市では「いきいき支援センター」と呼んでいます。
総合事業
要支援の人などを対象に、介護保険の仕組みの中で市区町村が行うサービスのこと。国の決まりで、配食もその1つに入っています。
市町村特別給付
国が決めたサービスのほかに、市区町村が条例で上乗せして行う介護保険のサービスのこと。
事業対象者
要支援の認定を受けていない65歳以上の人のうち、簡単な質問票に答えて、総合事業の対象と判定された人のこと。

介護保険で安くなるのは、お弁当代ではなく届ける代金です

介護保険法が「居宅サービス」として並べている12種類の中に、配食は入っていません。ヘルパーの訪問やデイサービスのように、全国どこでも同じ決まりで使えるサービスではない、ということです。

それでも、配食は介護保険の対象外だと言い切るのは正確ではありません。国の決まりで、市区町村は介護保険の仕組みの中で配食を行えるからです。名古屋市は、自分の市の配食を「介護保険サービス」と呼んでいます。

ただし、介護保険の仕組みで行う配食でも、安くなるのはお弁当の中身ではありません。国は、要支援の人などへの配食について、市区町村向けの指針にこう書いています。

配食については、食材費などの補助を行う趣旨ではないことから、食材費などの実費については利用者に負担を求める。 厚生労働省老健局長「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて」(最終改正 令和8年8月20日 老発0820第2号)別紙の「その他生活支援サービス」の留意事項

介護保険の仕組みで行う配食でも、お弁当代は自分で払います。補助がつくのは、届けて様子を見る手間の分です。

名古屋市の配食は、要介護の人向けが市町村特別給付、要支援の人と事業対象者向けが総合事業です。どちらも、お弁当代は事業者ごとに決まっていて、全額が自分の負担です。

これとは別に、配達と様子を確かめる費用が1回200円かかります。そのうち、介護保険の負担割合に応じた分を払います。

負担の割合払う額(1回)介護保険の仕組みから出る額
1割20円180円
2割40円160円
3割60円140円

配達の分の支払いは、1回数十円です。お弁当代は、全額を自分で払います。

親の負担の割合は、「介護保険負担割合証」で確かめられます。使えるのは1日に昼食か夕食の1食までで、2食目は補助の対象になりません。1か月に使える事業者も、原則1か所です。

補助があるかどうかは、住んでいる市しだいです

国の調査では、要支援の人などへの配食を総合事業で行っている市区町村は、全国1,741のうち382でした(2025年3月末)。約2割です。

ただし、この数には、要介護の人向けに市が上乗せする配食や、介護保険の外で市の福祉として行う配食は入っていません。仕組みが市ごとにばらばらなので、対象の決め方も、払う額の決め方も違います。お弁当代とは別に配達の費用を払う市もあれば、1食の支払いの額を決めている市もあります。愛知県の6つの市でも、これだけ違います。

市主な対象1食の負担の決め方
名古屋市要介護・要支援の認定を受けた人と、事業対象者お弁当代と、配達の費用200円の1〜3割
北名古屋市外出が難しく、近くに親族がいない、おおむね65歳以上のひとり暮らしの人など料金から1食200円を差し引いた額
岡崎市75歳以上のひとり暮らしで、市民税が非課税の人1食350円(一般食の場合)
春日井市認定を受けた人などだけで暮らす、おおむね65歳以上の世帯市が1食300円を助成し、残りを払う
豊田市調理や買い物が難しい、65歳以上のひとり暮らしの人など1食300円から
長久手市認定を受けて介護サービスを使っている、ひとり暮らしの人など1食270円〜600円

同じ県の中でも、対象も払う額も市ごとに違います。住んでいる市に聞くのが、いちばんの近道です。

聞く先は、親が住んでいる地域の地域包括支援センターです。すでに介護保険の認定があり、担当のケアマネジャーがいるなら、そちらでもかまいません。「見守りを兼ねた配食の補助はありますか」と聞くと、話が早く進みます。

市の事業は、終わることもあります。横浜市は、一般行政サービスとして行っていた高齢者の食事サービスを、2025年3月31日で終えました。古い記事で見た補助が、今もあるとは限りません。

市に配食がない、あっても対象から外れた、という場合は、冷凍の宅配で埋める方法があります。補助はつきませんが、住んでいる市に関係なく頼めます。値段と中身の違いは、5つ目の章の表にまとめました。

市の配食が使えないときの、冷凍の宅配

どれも冷凍のおかずを宅配便で届けるサービスで、お試しのセットがあります。

おかずのお試し10食:ワタミの宅食ダイレクト

塩分などを控えたコース:ウェルネスダイニング

お試し6食:メディカルフードサービス

市の配食は、届けるときに様子を確かめます

市の配食と、ふつうの宅配弁当のいちばんの違いは、届けるときに様子を確かめることです。名古屋市は、事業者向けの手引きで、手渡しで届けて様子を確かめることを「大原則」としています。玄関に置いて帰る配達は、認められていません。

玄関先に弁当を置くだけでは安否確認を実施したことにはならず、配食サービス事業として実施すべき内容を満たしていません。 名古屋市健康福祉局「生活援助型・自立支援型配食サービス 運営の手引き」(R7.10)PDFの11枚目「Ⅴ.配達時について」

置いて帰るだけでは、市の配食になりません。顔か声で様子を確かめるまでが仕事です。

手渡しできないときは、同居の家族に渡して様子を聞く、奥の部屋からの返事を聞く、電話で声を確かめる、といった方法をとります。留守なら時間を置いてもう一度訪ね、それでも会えなければ、本人や緊急連絡先に連絡します。

そのため名古屋市では、様子を確かめられることを断る人とは、契約できません。反対に、同居の家族がいても使えます。

離れて暮らす子にとっては、毎日だれかが親の様子を見てくれる安心があります。一方で、人と顔を合わせるのをいやがる親には、向かないことがあります。親がよその人の手を借りたがらないときの話し方は、親が家事代行を嫌がるときの伝え方にまとめています。

名古屋市では、事業者を選んで契約するところから始まります

名古屋市の配食は、市に申し込むのではなく、市が指定した事業者と直接契約します。流れはこうです。

  1. 市の「配食事業者情報検索」で、親の住む区に届けている事業者を探す
  2. 事業者に連絡して、献立、お弁当代、届ける時間を聞き、契約する
  3. 事業者が、親に代わって区役所の福祉課へ利用開始の申請を出す
  4. 配達が始まる

2026年9月29日に見たときは、91の事業者が載っていました。お弁当代は事業者ごとに違い、事業者ごとの詳しい情報のページに、献立や料金が書かれています。書き方がそろっていないので、ご飯つきか、おかずだけかも確かめて比べてください。

休みの日も事業者ごとです。91の事業者の休業日を見ると、半分を超える事業者が日曜日を休みにしています。毎日届けてほしいなら、契約の前に休みの日を聞いておきます。

要介護認定を申請している最中でも、名古屋市は、申請した日より後なら、事業者と契約した日から使えると答えています。区役所への利用開始の申請は、結果が出てから事業者が出します。

申請中に使い始めて結果が「非該当」だと、契約の日にさかのぼって、使えなかったことになります。そのときの支払いをどうするかは、契約の前に事業者と確かめておいてください。

認定の手続きそのものは退院後、介護認定を待つ間にできることに、ひとり暮らしの親が退院するときの準備は一人暮らしの親が退院するときにまとめています。使い始めたら、担当のケアマネジャーにも伝えておきます。

申し込み方も市で違います。岡崎市は、市に申請して利用が決まってから、事業者に連絡します。春日井市はケアマネジャーか地域包括支援センターに相談し、豊田市は地域包括支援センターかケアマネジャーのいる事業所を通して申し込みます。

市の配食で足りない分は、冷凍の宅配かヘルパーの調理で埋めます

市の配食があっても、足りない場面は出てきます。補助がつくのは1日1食までで、日曜日に届かない事業者も多くあります。平日だけ届ける市もありますし、そもそも対象から外れることもあります。

要介護の認定があって、ひとりで暮らしているなら、ヘルパーに家で調理を頼めます。介護保険の家事の手伝い(生活援助)は、国の決まりで「単身の世帯」の人などが対象になっています。家族と同居している場合の考え方は、訪問介護で頼めないことにまとめています。

もう1つの方法が、冷凍の宅配です。まとめて届くので、日曜日や配達のない日の分を冷凍庫に置いておけます。住んでいる市に関係なく頼めて、ワタミの宅食ダイレクトとメディカルフードサービスは、注文する人と届け先を分けられます。離れて暮らす子が手配する方法は、遠方の親に家事代行を頼む方法にまとめています。

ただし、市の配食とは中身が違います。介護保険の補助はつかず、宅配便で届くので、様子を確かめる決まりもありません。見守りの代わりにはならないと考えてください。

会社お試しの値段(税込)届くもの
ワタミの宅食ダイレクト10食3,990円と送料880円(本州・四国・九州。初めての人が1回だけ)主菜と副菜2品のおかず。献立はおまかせ
ウェルネスダイニング(気配り宅配食)塩分制限の7食5,184円(お試し注文は初回の送料が無料)主菜1品と副菜3品のおかず。塩分や糖質などを控えたコースから選ぶ
メディカルフードサービスバランス健康食の6食4,881円(送料込み)日替わりのおかず。塩分やカロリーを控えた食事のお試しもある

3社とも、届くのは冷凍のおかずです。ご飯は、家で別に用意します。

市の配食で足りない分を、冷凍の宅配で埋める

値段を抑えて試すならワタミの宅食ダイレクト、医師から塩分などを控えるよう言われているならウェルネスダイニングかメディカルフードサービスの制限食が候補です。

お試し10食を見る:ワタミの宅食ダイレクト

気配り宅配食を見る:ウェルネスダイニング

お試しセットを見る:メディカルフードサービス

値段は2026年9月29日に各社の公式ページで確かめたもので、変わることがあります。ワタミの宅食ダイレクトとウェルネスダイニングは、北海道と沖縄への送料が高くなります。ワタミの宅食ダイレクトは冷凍のおかずを宅配便で届けるサービスで、冷蔵の日替わりのお弁当を毎日届ける「ワタミの宅食」とは別のサービスです。

かむ力や飲み込む力が落ちているなら、やわらかさの段階を選べる宅配食もあります。選び方は介護食の宅配の選び方をご覧ください。

よくある質問

介護保険の認定がなくても、市の配食は使えますか
市によって違います。名古屋市は、要介護か要支援の認定を受けているか、簡単な質問票で事業対象者と判定されることが条件です。一方、岡崎市のように、年齢やひとり暮らしかどうか、所得で対象を決めている市もあります。
配食の負担は、高額介護サービス費や医療費控除で戻りますか
名古屋市は、要介護の人向けの配食について、どちらの対象にもならないと答えています。配達の分は、負担が1割なら1回20円なので、毎日使っても月600円ほどです。ほかの市の扱いは、市の窓口でご確認ください。
市の配食と、ネットで頼む冷凍の宅配は、何が違いますか
市の配食は、届けるときに手渡しなどで様子を確かめます。市によっては、配達の費用に介護保険の補助がつきます。冷凍の宅配は宅配便で届き、補助も見守りもありませんが、まとめて冷凍庫に置いておけます。
要支援から要介護に変わったら、名古屋市の配食はどうなりますか
要支援の人向けの配食を使っている人が要介護と認定されたら、申請した日から要介護の人向けの配食に切り替わると、名古屋市は案内しています。事業者が区役所に届け出をし直すので、結果が出たら事業者に知らせてください。

さいごに

配食について最初にやることは1つです。親が住んでいる地域の地域包括支援センターに、「見守りを兼ねた配食の補助はありますか」と聞いてください。

補助があれば、市の配食で毎日の食事と様子見をまかない、日曜日や足りない日の分を冷凍の宅配で埋めます。補助がない、対象から外れたという場合は、冷凍の宅配とヘルパーの調理を組み合わせます。

配達のない日の分を、冷凍庫に置いておく

主菜と副菜2品のおかずが10食届くお試しは、初めての人が1回だけ頼めます。

お試し10食を見る:ワタミの宅食ダイレクト

出典

本ページは公的機関と各社が公表している資料をもとに作成していますが、専門家の監修は受けていません。介護保険と市の配食の決まりは、年度によって変わることがあります。対象になるかや負担の額は、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

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